刑法39条廃止に対する、弁護士ではない、福祉関係の専門職の方の意見。

私も事件があった時に噴出する、一面しか見ない野次馬論と対峙してきたが、非常に説得力があるこの説明からも存置論を強固にしたい。
以下の論で触れられている予審については、もし行うのであれば、判事だけでなく福祉関係者や市民などを含めたメンバーを入れるべきであると考える。

刑法39条を削除すると責任能力は判断されなくなります。裁判は個別性を判断するものではなく,事実が法に基づいているか否かを判断するものなので,条文から削除されると情状とするか否かしかなくなってしまい,むしろ法の下の平等から逸脱してしまうのではないかと思います。
刑法40条が削除されたのは,聴覚障がいがあるだけで責任能力が無いか限定責任能力となるのは,おかしいと当事者が訴え,それが法として正しいということで立法府が削除したと言う経緯で,39条とは違うかと思います。

現在,39条があっても,起訴前鑑定が行われるような重大事件以外では,裁判で鑑定請求しても認められることはまれで,ともすれば,弁護人の気づきもなく請求されず,そのまま裁判が進み刑務所へというケースが多々あります。
下手をすれば,39条を無くすと,軽犯を犯した精神障がい者や知的障がい者をオートマチックに一般刑務所に送ることにもなりかねません。冤罪の発生にも繋がるかとも思います。

私は,法治国家として39条は維持したまま,むしろ起訴不起訴を検察が決めるのではなく,原則全件送致して予審を開いて,本審を開くか否か,鑑定の必要性,判決前調査の必要性も含めて裁判所で決め,さらにその結果に不服があれば抗告もできるようにするべきだと思います。

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック