維新に通ずる、ヒトラーの経済政策としたペテン

ヒトラーの経済政策としたペテン。

NHK ダークサイドミステリー「笑顔が暴力を生んだ夜 なぜ人々はヒトラーに従った」 2021年04月01日放送より


第一次大戦後、敗戦国としてベルサイユ条約に決められた賠償金( 第一次世界大戦前である、1913年のドイツの国民総所得の2.5倍もの1320億金マルク (約 $320億) ,毎年の支払額を 20億金マルクとほかに輸出額の 25%相当)を、ドイツは1918年の敗戦より支払い、最後に残った国債利子分の約7千万ユーロ(約80億円)まで92年後の2010年までかけて支払い続けた。
領土も取られ、失業者が街にあふれた。
この時、経済復興を旗印としてナチスは躍進する。

あたかも経済成長をしているかのようデマを公約として躍進している維新と被る。
維新のデマについては、
#維新のせいで 維新跋扈で衰退する大阪をデータで示す

http://mitumerukisiwada.seesaa.net/article/485064919.html

に譲り、ここではナチスについて示す。


ナチスは失業者が少なくなったなどと、このように統計を使ってデマをまき散らす。

ヒトラーとナチがやった政策を検証すると、実際には実現出来ていないモノばかり。

ヒトラーがやった「国民のサービス」は表層情報のみで「ナチも良いことをやった」と言われるが、その実情は「虚飾と加飾」に満ちた宣伝効果で大衆を感化させただけ。

それでも、大衆は効果的な宣伝によって、酷い「虚飾と加飾」が有ったとしても、幻想を幻想と思わずに、ヒトラーとナチの推進する政治をドンドンと受け入れて行ってしまう…徐々に悲劇が始まる。



この手口は、40万人の若者をボランティア動員、徴兵や軍需産業への動員、失業女性は専業主婦としてカウントを外す。

数字を意図的に減らして、経済政策の成功だと嘯き、成果としたものだ。

ヒトラー政権前の最大失業者数1932年557万人。
ヒトラー就任1933年で、500万人を切る。
これ以後の数字はペテン。

ヒトラーのデマ
①歓喜力行団
「喜びを通じて力を」と謳い国民に旅行・スポーツ・コンサート・祝祭典などの提供を企画。ナチの理想の普及と忠誠心を高めることが目的だった。
高級リゾートを歓喜力行団名目で、国民に安く開放した。
利用者は労働者でなく、金持ち市民であったが、利益を大衆に振舞っているように見せた。

国民車構想
ヒトラーが安価で高性能な自動車を国民に供給する「国民車構想」を提唱。
高性能な大衆車の普及を国主導で目指すとした。
国民車の積み立てを集めてVWタイプ1は生産されるも、軍用車の製造が手一杯で、納品されず。

アウトバーン
構想そのものは以前から有ったモノを、失業率を下げ、雇用を創出する為として、具現化。
ヒトラーは「年間60万人の雇用を約束」とし、アウトバーン建設は、ヒトラー以前から決まっていたが、それを自身の功績とする。首相就任後、1939年までに失業者を12万人までに減らしたとナチは謳ったが、元々大型機械でなく、手作業による工事で60万人雇用を約束していたもの。

一方、共同体の敵を裕福であったユダヤ人とし、世界恐慌でドイツが堕落した原因と妬みと憎しみを向ける。
1933年4月1日、ユダヤの店をボイコットを呼びかけ、暴力的に商売を妨害。
集まった野次馬はナチスの宣伝に使われ、その映像を見た人々は、自分とユダヤは別だと考え、糾弾が共有されていった。
ユダヤ人を強制収容して、その家財などを安く競売にかけた。
その利を得たドイツ人は、ヒトラーの悪行にも見て見ぬ振りをした。
外集団に対して差別することで、自分たちが優秀と錯覚し、野蛮な人たちから身を守るために団結しなければならないと思わせ、外集団への攻撃を正当化する。
総統が決め、国民は従うとのファシズム。


番組に出演していた田野大輔甲南大学文学部教授と西田公昭・立正大学心理学部対人・社会心理学科教授の言葉。
田野教授
「状況や人間関係が暗い部分を引き出してしまう」
「呼び掛ける側も突撃隊員(大衆)モノ両方とも無責任体制。ケッベルス自身も直接暴行しろとは言っていない。『ナチ党は止めない』としか言っていない。上の指示に忖度して過激なことをやる。伝言ゲームのように指示がどんどん過激になっていった」 


西田教授
「人間は性格で自由に行動している訳ではなく、その場面で望ましい行動をしているだけ。1人で行動する時と集団で行動する時と違う人間になってしまう」
「代理状態。(権力者の希望に沿って)やってあげているだけだから、私のせいじゃないんだと言う考えが働く。集団の中では更に過激なことをした方が喜ばれる『リスキーシフト現象』に陥り、『上層部は控え目に言っている』んだと、勝手に解釈する」

ファシズムの定義(田野教授):
 ①「集団の力の実感」 ②「命令で行動することによって責任感が麻痺」 ③「やらないといけないという義務感が生まれる」

大衆は権力側が作った「共同体の敵」と、自分たちの間に線を引き始めるのです。そして「自分たちの方が優秀!」「自分たちの方が凄い!」と謳い始め、本当は敵でもない「外集団」に対し差別し、「野蛮な連中から身を守る為に団結するのだ」と大きな過ちを選択するのです。

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