LGBTSの法律問題




より


①性同一障がいの方の性別変更

1.要件
・20歳以上
・現在結婚していない
世界では、同性婚や同性間のパートナーシップ制度がある国では削除されている。

・未成年の子どもがいない
・精子をつくる能力がない、子宮がないなど、子どもを永久に生殖できない状態にあること
性別適合手術を強要されます。
ドイツ、オランダ、英、スペインなどでは、これは要件ではない。

・外見上、心の性別に合わせた性器(に類似する形)があること


2.性別適合手術を受けられない場合には
・改名
名前の変更をしないと、社会生活に著しい支障をきたすとして、 家庭裁判所に改名の審判を申し立てて、改名できます。
改名が必要であるとの不便な社会生活の経験をまとめた陳述書、性同一性障がいであるとの医師の診断書、通名を継続して使用している証拠としての郵便物などが必要です。

3.公の書類の表記変更
国民健康保険証を心の性別に表記させることができる
戸籍上の性別記載の表記工夫は、保険者である市町村長ができます(2012.9.21付厚労省事務連絡「被保険者証の性別表記について」)

付随して、市町村書類の性別記載は廃止することができます。
全国で約200自治体、政令市でも仙台、新潟、神戸、広島など12市に広がっています。


4.FTMとして性別変更後、女性と 結婚し、精子提供などによりパートナーが出産した場合
出生届で、「父の欄」にあなたの名前、「父母との続柄」欄の「嫡出子」にチェックすれば、あなたとパートナーの実子となります。
最高裁2013.12.10決定でも確認されています。

MTFの場合、代理母を利用することになります。
代理母は日本では認められていないので、海外で利用することになります。
そのようにして出産がなされた場合、戸籍上ではなく実際に出産した代理母の実子だと判断されています。
最高裁2007.3.23決定。

又、日本国内で出生届を出す場合、母の欄を空白では提出できません。
ゲイカップルやMTFの場合、精子を提供したパートナーなどが法律上の父 親になるには、認知が必要です。


5.ホルモン治療などへの健康保険適用
性別適合手術を受けた方でなければ、健保適用はありません。
性別適合手術に関しても保険適用はありません。
精神科にかかる治療は保険適用があります。


6.生命保険加入
性同一性障がいの治療を受けていると、加入時に告知義務があります。
ホルモン治療が身体的影響があるとされていることから、加入は困難です。



②同性パートナーへの相続
1.パートナーは、民法上、相続する権利はありません。

公正証書を利用した遺言で、確実に相続は可能ですが、相続順 位は、1番に親、親がいなければ兄弟が1番となります。
それら親兄弟には、民法で決められた本来相続できる部分の半分は遺留分として請求できる権利がありますので、先に了解を得ておくなど、争いにならないような根回しが必要です。

他にもパートナーを受益者とする信託や、受取人とする生命保険があります。
但し、死亡保険金には相続税がかかり、法定相続人ではない場合、非課税枠の利用、相続税の基礎控除、配偶者税率軽減が適用されませんので、ご注意ください。


2.養子縁組
1日でも早く生まれて年長者であるパートナーは、もう一方を養子とすることができます。
名字は、養親のパートナーのものになります。
注意点
・婚姻代わりの養子縁組となれば、「社会通念上の“親子”とは認められない」として、その縁組合意がなされたとは認められない場合があり、相続で争いになった時には「養子縁組自体が無効だ」と親族から訴えられる可能性があります。
又、養子縁組は戸籍に記載されますので、カミングアウトしていない場合には、予期せずして親族にバレてしまうおそれもあります。

法務省民事局もこのような“偽造養子縁組”が疑われるような場合、調査を行ったり、場合によっては受理しないよう通達しています(2010.12.27付法務省民事局通達「養子縁組の届出に関する取扱等について」)。
本来の通達の趣旨は、借金踏み倒しでブラックリストに載った人が、養 子となって名字を変更し、再度借金しないようにとのものですが、同性カップルへの適用も考えられます。

将来、同性婚が法律上可能となった場合には、現行、異性間の養子縁組であっても、それを解消して結婚することは民法上できませんので、それが同性婚でも引き継がれる可能性もあります。


3.養親となった側に実子がいれば、その子どもにも遺留分を含めた相続権が発生します。
パートナーAの実子とパートナーBに、民法上の関係はありません。
実子が未成年であったり、障がいを持つなど扶養が必要な場合、その扶養義務や費用などの確認については、パートナーシップ契約に記載しておくことが必要です。

又、その金額が高額である場合、税務署が贈与として課税する場合がありますので、その場合の説明に契約書を提示し、扶養義務を明確にし、生活実態を示すことも有効です。
実子が未成年のうちに、その実親であるパートナーAが亡くなった場合、パートナーBは自動的に親権者とはなりません。
家庭裁判所に未成年後見人の申し立てが必要で、家庭裁判所は子どもの福祉の観点から、相応しいかどうか選びますので、Bが親権者になれるかどうかは不安が残ります。
あらかじめ遺言で、Bを未成年後見人として、指定しておくと良いでしょう。

BがAの実子を勤め先の社会保険で、被扶養者として加入させることは、法的関係性がない以上、困難です。
扶養手当については、内縁関係とし て取り扱われるケースもあります。


4.二人で住宅ローンを組む
法律上の夫婦と同様の扱いをしてくれる金融機関は少ないですが、みずほ銀行や楽天銀行など、東京都渋谷区が発行するパートナーシップ証明書など行政文書の写しを提出によって、同性パートナーを配偶者と同様に取り扱うところもでてきています。


5.認知症になったり、介護を受けることになる前の準備
パートナーと公正証書による任意後見契約を結んでおくことで、将来の財産管理や生活のサポートを任せることが可能です。

本人の判断能力が衰えてきた場合、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を求め、選任されるとパートナーによる任意後見が開 始されます。
任意後見監督人には、私のような行政書士、弁護士など制度を理解している人や法律の専門職、第3者が選ばれます。
任意後見監督人の報酬は、業務内容と本人の資産内容に応じて、家庭裁判所が金額を決定します。

任意後見の代理権では不足な場合、法定後見に移行する場合もあります。
ですが、法定後見については、家庭裁判所への後見開始の審判申し立て者が、民法上、配偶者や4親等以内の親族などとされており、パートナーは申し立てできません。


6.同性婚が犯罪(死刑を含む)となる国の外国人がパートナーの場合
外国人パートナーが日本で暮らす場合、永住権や就労VISAがない場合、配偶者VISAとはなりません ので、難民申請するしかありませんが、難民認定は極めて困難です。

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